お話は、大空をたくさん飛んだスズメのこと。スズメはとっても自由で、いつも新しい場所を探して飛んでいました。でも、スズメは地上のことはあまり気にしませんでした。
ある日、スズメが見つけたのは、窓辺にいる小さな白いハト。ハトはスズメとはちがって、そんなに飛ぶことはありませんでしたが、自分の小さな世界が大好きでした。スズメは初めて、地上のことにきょうみを持ちました。
スズメはハトと友だちになって、一緒に歌を歌ったり、巣を作ったりしました。ハトと一緒にいると、スズメは空では感じられないあたたかさを知ることができました。そして、彼らの歌は、街中にひびきわたりました。
でも、時間がたつとハトは死んでしまって、スズメはまた一人になっちゃっいました。でも、スズメはもう空を飛びたくはありませんでした。ハトと一緒に過ごした時間を思い出しながら、その場所にとどまりつづけました。
そして、長い冬が終わると、スズメは「最後に」と、大空へはばたきました。ハトと作った家を一回りした後、スズメは窓辺にもどってきました。そして、最後にスズメが歌ったのは、大好きなハトとの愛と悲しみと、一緒に生きた時間の歌でした。
そして、それからは、スズメはもう飛びませんでした。
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